固定残業(みなし残業)制度のデメリットとは?

最近いろいろと話題になっている固定残業代制。
従業員の業務効率化が図れる点や働かなくても一定の残業代が支払われるなどのメリットはありますが、
デメリットも存在します。
今回は固定残業代制のデメリットについて説明します。

1.固定残業代制とは
固定残業とは、労働者に対して固定な残業時間を設定することで、企業側が労働力の確保と生産性の向上を図る制度です。
例えば固定残業代を20時間と設定していた場合、月の残業が10時間だった場合でも、固定的に20時間分の残業代が支払われることになります。
従業員が残業代を稼ぐため意味のない残業をしているケースも散見されますが、固定残業代制の場合は残業しても給与は変わらないため無意味な残業をしなくなります。

なお、固定残業代制といっても設定された残業時間を超えた場合には、追加で時間外手当を支払う必要があります。
固定といっても完全に固定ではありませんので、ご注意ください。

2.固定残業代制のデメリット
〇労働時間の長さと健康への影響
固定残業は、労働者が定期的に長時間労働をすることを前提としているケースがあります。
会社から見ると残業代を固定的に支払っているため、残業を命令しやすくなります。
長時間労働は、過労やストレス、心身の健康への悪影響を引き起こす可能性があります。長時間労働はモチベーション低下を引き起こす可能性があり、特に残業の対価が支払われない場合、労働者は自分の労働に対する報酬が不十分だと感じる可能性があります。

〇残業代が支払われない
上部でも述べたとおり設定された固定残業時間を超えた場合は超過時間に対して追加で時間外手当を支払う必要があります。
ただ、会社が追加の残業代が必要とは知らずに、上限を超えた時間の残業代が支払われていないケースを見かけます。

なお、固定残業代制であっても給与明細には基本給と残業代を分けて記載する必要があります。
固定的な賃金のため基本給にまとめて記載されているケースもたまに見かけますが、基本給と切り分けていない場合は残業代とみなされない場合があります。

企業側が固定残業を導入する場合は、労働者の健康やワークライフバランスを考慮し、残業時間や残業代の適正な取り扱いについて十分な配慮をする必要があります。また、残業時間の短縮や労働時間の見直しなど、労働環境の改善についても考慮が必要です。固定残業代制を導入される場合は十分にご注意ください。

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