こんにちは!SKY労務事務所です。
会社の規模が大きくなると、新しく支店を設けることになります。
それでは、新しい支店の保険関係はどのような手続きが必要なのでしょうか。
今回は継続事業の一括申請について解説します。
継続事業の一括とは
労働保険の保険関係は、個々の適用事業単位に成立するのが原則となり、本社で労働保険に加入していても、支店や営業所ごとに保険関係が成立し、それぞれについて、成立届の提出と労働保険料の申告が必要となります。
支店が数拠点であれば支店ごとに労働保険が分かれていても把握はできますが、更に成長して数十拠点となったらどうでしょう。管理するだけでも大変です。
そのため、労働保険では、事業者の事務の簡便化を図るため、一定の要件を満たす継続事業であれば、同一会社の支店や営業所等の労働保険料を一つの事業でまとめて申告納付をすることができます。
継続事業の一括の要件
継続事業の一括申請する際には下記の要件に該当する必要があります。
1.継続事業であること
「継続事業」とは、期間の定めなく活動を続ける事業をいいます。ビルの建設や海の家などの活動期間が定められている事業を「有期事業」といい、継続事業の一括の対象とはなりません。
2.指定事業と被一括事業の事業主が同じであること(事業主が法人の場合は同一法人の支店、営業所等に限る)
指定事業とは、手続きを行う主たる事業所で本社のことをいい、被一括事業とは一括処理される側の支店のことをいいます。一括する場合は、本社と支店が同じ事業主であることが必要です。
3.それぞれの事業が『労災保険率表』による「事業の種類」が同じであること
労災の保険料は、事業の種類ごとに「労災保険率表」によって定められています。指定事業と被一括事業の事業が異なると継続事業の一括申請はできません。なお、会社全体では1つの事業内容であっても本社事務所と工場などの適用事業単位で見たときに別の仕事をしている場合には異なる事業の種類が適用される場合があります。
4.保険関係区分が同じであること
「保険関係」は労働保険の内、労災保険と雇用保険の成立の有無を区分したものです。建設業や農林水産業等では労災保険と雇用保険を別々に成立させる(二元適用事業所)ことができますが、一元適用事業所と二元適用業所では継続事業の一括申請はできません。
継続事業一括新規・追加の手続き
継続事業の一括申請する際の主な手続きの手順は以下となります。
既に労働保険番号がある場合は、STEP1の手続きは不要です。
継続事業一括認可を受けている事業場が廃止された場合
事業状況等によって、事業場の所在地が変更されたり、支店や営業所を廃止・閉鎖することになった場合は、指定事業を管轄する労働基準監督署へ届出が必要になります。主な手続きは以下となります。
①支店や営業所等を廃止・閉鎖
②支店や営業所等の名称・所在地を変更 被一括事業の名称・所在地変更届の提出
③指定事業が移転 指定事業の名称、所在地等変更届の提出