CCUS(建設キャリアアップシステム)を導入して経営事項審査の加点を狙う

公共工事への入札参加を目指す建設業者にとって、経営事項審査(いわゆる経審)の受審は事実上の前提条件となります。経審では、完成工事高、自己資本額や利益率などの財務状況、技術職員数、社会性等といった多角的な評価項目に基づき総合的に評点が算出され、その結果が入札参加資格や格付に大きく影響します。

近年は、企業の体制整備や技能者の適正管理といった観点も重視されており、その一つとして建設キャリアアップシステム(CCUS)の登録状況が評価対象に組み込まれています。CCUSを適切に導入・運用することで、経審における社会性等の項目で加点を受けることが可能となり、総合評点(P点)の向上につながります。

目次

CCUS(建設キャリアアップシステム)とは

建設キャリアアップシステム(CCUS)とは、建設技能者一人ひとりの就業履歴や保有資格、社会保険加入状況などを業界横断的に蓄積・管理するために整備された仕組みです。技能者の経験や能力を客観的に「見える化」することで、適正な評価や処遇の改善につなげるとともに、技能の継承や人材確保を目的として国土交通省主導のもと運用されています。

従来の建設業では、現場ごとに技能者の経歴や技能レベルを把握することが難しく、評価や配置が属人的になりがちでした。CCUSを活用することで、技能者の就業実績や資格情報が一元的に管理され、元請企業・下請企業双方にとって適切な施工体制の構築や労務管理の効率化が期待されています。また、技能者にとっても自身のキャリアが記録・蓄積されることにより、技能レベルの証明や処遇改善につながる仕組みとなっています。

CCUSで経審の加点を狙う

CCUSの活用状況は、経営事項審査における「社会性等(W点)」の評価対象のとされています。

具体的には、
・事業者登録を行っていること
・技能者登録が一定割合以上であること
・現場でのカードタッチ等により就業履歴が適切に蓄積されていること
などが評価対象となります。

これによりW点が加算され、最終的な総合評点(P点)が向上します。P点は入札参加資格の格付(ランク)に直結するため、結果として参加できる公共工事の範囲や受注機会に影響します。

経審で加点される点数は

CCUSの加点は、どの範囲の工事で運用しているかによって異なります。
なお、下記の点数は令和8年7月に変更される予定です。

公共工事すべてでCCUSを導入10点
公共工事+民間工事を含む全現場で導入15点(最大)

経審の中でもW評点は短期間で改善しやすい項目です。
完成工事高や技術者数のようにすぐ増やせない要素と異なり、制度対応によって点数を上げられるため、特に中小建設業者にとっては有効な対策となります。

CCUSを導入する経審以外のメリット

建設キャリアアップシステム(CCUS)を導入・登録することには、単なる制度対応にとどまらず、経営面・受注面・人材面のそれぞれにおいて明確なメリットがあります。主なポイントを整理すると以下のとおりです。

①受注機会の拡大・対外的信用の向上

元請企業や公共発注者の間でCCUS活用が進んでおり、登録済みであること自体が体制整備・コンプライアンス意識の高さの証明となります。協力会社選定において優位性を持つことができ、継続受注や新規取引の拡大につながります。

②人材管理の効率化・技能の見える化

技能者の資格・就業履歴がデータとして蓄積されるため、適正配置や育成計画の立案が容易になります。属人的な管理から脱却し、組織的な人材戦略を構築できます。

③ 将来的な制度対応への備え

CCUSは国土交通省主導で普及が進められており、今後さらに活用場面が拡大することが想定されます。早期導入により、制度変更への対応コストや機会損失を抑えることができます。

まとめ

建設業では人材不足が続いており、特に若手技術者の育成は今後の業界を支えるうえで欠かせない課題となっています。これまで技能や経験といった目に見えにくい部分は評価されにくい面もありましたが、CCUSの活用によって、資格や就業履歴が可視化され、自身の成長や将来の方向性をイメージしやすくなってきています。

元請からの要請をきっかけに導入を検討されるケースもありますが、CCUSは単なる制度対応ではなく、技能に応じた適切な評価や処遇につながる仕組みでもあります。業界全体で活用が進むことで、働きやすい環境づくりや人材の定着につながり、より良い建設業の未来につながっていくことが期待されます。

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