建設現場への直行・直帰は労働時間になるのか

こんにちは!SKY労務事務所です。

2024年4月1日から建設業についても時間外労働の上限規制が適用されています。。
これまで勤怠管理が行われていなかった事業所についても、適切な勤怠管理が求められるようになります。

建設業においては、現場の作業員は自宅から現場へ直行・直帰するケースが多いかと思います。
それでは、現場への直行・直帰の移動時間は労働時間になるのでしょうか。

結論から言いますと、”基本的に”は直行・直帰の移動時間は労働時間にはなりません。
会社への通勤と同様の考え方となり、移動時間は通勤時間をみなされます。現場で業務を開始する時間が始業時間、業務が終了する時間が終業時間となります。

それでは、どのような場合に直行・直帰の移動時間が労働時間ならないのでしょうか。
まず、労働時間の考え方として下記の判決が参考になります。

「労働時間」とは、使用者の指揮命令下に置かれている時間を示し、以下の2点が判断基準になります。
①就業規則等の規定に左右せず客観的に判断
②使用者の明示or黙示の指示によって労働者が業務に従事していたと評価できるか判断
※三菱重工長崎造船所事件 

つまり、移動時間中に業務に従事していたかが判断の要素となります。
移動中に取引先と電話していた、もしくは、パソコンで報告書を作成していたなど、通常の業務を行っている場合は労働時間となる可能性が高いです。
なお、移動時間が「労働時間」に該当するかどうかは客観的に判断されるため、名称にとらわれず実態を見て判断する必要があります。

どのようなケースで労働時間となるのか事例を紹介します。

ケース1
・現場の作業を終えた後、車両で事務所へ戻ることを原則化していた
・終業時刻を過ぎても、他の現場に行っていた労働者らが戻ってきていなければ道具の洗浄や資材の整理等を行っていた
・ 道具の洗浄や資材の整理等が会社から黙示による指示がなされた業務であったと考えられる

ここで注意が必要なのは、道具の洗浄、整理が黙示による指示がなされた業務ということです。
「会社としては洗浄・整理の指示はしておらず、従業員が勝手にやっていた」といっても、黙示による指示とみなされるということですね。

ケース2
・車両による事務所と現場の移動は会社の指示ではなかった
・ 移動に使う車両の運転者、集合時刻等を労働者らで任意に決めていた
• 事務所と現場との往復は、通勤としての性格を多分に有していた
移動時間は労働時間に該当する(平成20年2月22日東京地裁判決より)

同じ事務所と現場の移動時間について争われた裁判例でもその実態によって異なる判決が下されており、移動時間が労働時間に該当するかどうかは個別具体的に判断する必要があります。

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