令和8年8月スタート!産業医の「辞任等」の報告義務化について

企業の健康管理を支える産業医ですが、この度、制度に関する重要な変更がありました。
人事・労務担当者の皆様に向けて、新たに義務化される「産業医の辞任等の報告」について、詳細をわかりやすくまとめました。

1. 令和8年8月1日から「辞任等の報告」が義務化されます

これまでも産業医の選任に関する報告は必要でしたが、法改正により、辞任等が生じた際の手続きが厳格化されます。

  • 労働者数50人以上の事業場では、労働安全衛生法に基づき産業医を選任する義務があります。
  • 令和8年(2026年)8月1日より、産業医の辞任等があった場合には、所轄労働基準監督署長への報告が新たに義務付けられます。
  • ここでの「辞任等」とは、産業医の辞任、解任、または退任を指します。
  • これらの事由が発生した際は、遅滞なく電子申請によって報告を行う必要があります。
  • 電子申請は、「e-GOV電子申請」や「労働安全衛生法関係の届出・申請等帳票印刷に係る入力支援サービス」を利用して行うことが可能です。

2. 報告が不要になるケースと注意点

すべてのケースで単独の辞任報告が必要になるわけではありません。実務上押さえておきたい特例や注意点は以下の通りです。

  • 同時報告の場合:これまでと同様に、新たな産業医の選任と、前任の産業医の辞任等を同時に報告する場合は、別途の辞任等の報告は不要です。
  • 労働者が50人未満になった場合:労働者数が50人未満に減少したことによる産業医の辞任等の場合、法的な報告義務はありません。
  • ただし、選任状況を適切に把握する観点から、労働基準監督署への報告がお願いされています。
  • 14日以内の選任義務:選任していた産業医の辞任等があったときは、その日から14日以内に新たに産業医を選任しなければなりません。
  • 衛生委員会等への報告:産業医が辞任したとき、または解任したときは、遅滞なくその旨とその理由を衛生委員会または安全衛生委員会に報告する義務があります。

3. 【再確認】事業者が行うべき産業医へのサポート体制

今回の改正を機に、産業医が効果的に活動できるよう、事業者に求められている基本的な義務についても再確認しておきましょう。

  • 権限の付与:事業者や総括安全衛生管理者へ意見を述べる権限や、労働者から情報を収集する権限などを産業医に付与する必要があります。
  • 情報の提供:時間外・休日労働時間が1ヶ月当たり80時間を超えた労働者の氏名や、その超えた時間に関する情報などを産業医に提供する必要があります。
  • 勧告への対応と記録:産業医から労働者の健康管理等に関する勧告を受けた場合、事業者はそれを尊重しなければなりません。
  • さらに、勧告を受けたときは遅滞なく衛生委員会等に報告し、勧告内容と講じた措置の内容を記録して3年間保存する必要があります。
  • 労働者への周知:産業医の具体的な業務内容や、健康相談の申出方法などを労働者に周知する必要があります。
  • 定期健康診断結果報告:労働基準監督署へ提出する定期健康診断結果報告には、産業医の氏名を記載する必要があります。

まとめ

令和8年8月1日以降、産業医が交代・退任する際は、「14日以内の新任選任」と「辞任の電子申請」がセットで求められるようになります。担当者の皆様は、いざという時に手続きの漏れがないよう、今のうちから社内のマニュアルや運用フローを見直しておくことをお勧めします。

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