令和8年7月8日に、「小規模事業者持続化補助金<共同・協業型>」第3回公募の公募要領が公開されました。
本補助金は、物価高騰や賃上げ、インボイス制度の導入といった外部環境の変化に直面する小規模事業者を支援するための制度です。複数の事業者が互いの経営資源を補いながら共同・協業して販路開拓に取り組むことで、中長期的な商品展開力や販売力の向上を図ることを目的としています。
本記事では、公開された公募要領をもとに、補助金の概要やスケジュール、注意点などを分かりやすく解説します。
1. 補助金の概要と対象者
この事業は、地域振興等機関(商工会、商工会議所、都道府県中小企業団体中央会など)が主体的・中心的な役割を担って支援を行う事業です。 最大のポイントは、5者以上の小規模事業者(参画事業者)が参加して、商品やサービスの改良、ブランディング、販路開拓の機会の提供などをワンストップで行う点にあります。
※本補助金の申請者は「地域振興等機関」となります。地域の小規模事業者の皆様は「参画事業者」として、これら支援機関からの支援を受けながら事業を実施する形になります。
2. 補助上限額と補助率
参画する小規模事業者の数によって、補助上限額が異なります。
- 参画事業者が10者以上の場合:上限3,000万円
- 参画事業者が5者以上9者以下の場合:上限2,000万円
- 経費区分(謝金、旅費、借料、展示会等出展費、委託・外注費など)に応じて、定額または2/3以内の補助率が適用されます。
3. 対象となる主な取組
補助事業は、以下の3つの取組に分類されており、事業終了後も継続的な支援が可能であることが求められます。
- 展示会・商談会の取組: 商談目的の展示会等で展示・宣伝を行い、参画事業者自らが新規取引先を増加させる取組です。
- 催事販売の取組: 物販会や即売会に出展・開催し、売上高増加を目指す取組です。
- 販売拠点構築の取組: 想定ターゲットに向けた販売拠点や仕組み(ECサイト構築等)を構築する取組です。※1拠点につき90日以上稼働させる必要があります。
4. スケジュール
第3回公募のスケジュールは以下の通りです。
- 公募要領公開: 令和8年7月8日(水)
- 申請受付開始: 令和8年8月14日(金)
- 申請受付締切: 令和8年9月30日(水) 17:00まで
5. 申請にあたっての重要事項
- 申請書類一式は、補助金申請システム「Jグランツ」による電子申請でのみ提出可能です。
- Jグランツの利用には「GビズIDプライムアカウント」の取得が必要です。
- 暫定GビズIDプライムアカウントは使用できません。
- アカウントの取得には数週間程度を要するため、未取得の方はお早めに利用登録を行ってください。
まとめ
一般型の小規模事業者持続化補助金と比較すると、<共同・協業型>は応募件数が少なく、注目度は高いとは言えない状況です。実際に、第2回公募における採択件数は35者にとどまっており、利用実績は限定的となっています。
この傾向は、本補助金に限らず、他の補助金制度における共同・協業を対象とした公募でも見られます。共同事業ならではの要件や事業スキームの構築が必要となることから、申請のハードルが比較的高く、多くの事業者が一般型へ流れる傾向があります。
一方で、このような背景から、申請要件を満たす事業者にとっては競合が少なく、比較的チャレンジしやすい補助金とも考えられます。共同・協業による販路開拓や地域経済への波及効果が見込める事業を計画されている場合は、有力な選択肢の一つとなるでしょう。
共同・協業体制の構築など一定の準備は必要となりますが、要件に合致する可能性がある場合には、ぜひ積極的に活用をご検討いただくことをおすすめします。
