
中小企業による業務の効率化や生産性向上を目的とした設備投資を支援する「中小企業省力化投資補助金(一般型)」。先日、第1回公募における採択結果公表されたところですが、続いて第3回公募の受付が開始されました。
中小企業省力化投資補助金(一般型)とは
中小企業省力化補助金(一般型)は、売上拡大や生産性向上を後押しするため、人手不足に悩む中小企業等がIoT・ロボット等の人手不足解消に効果があるデジタル技術等を活用した専用設備を導入するための事業費等の経費が補助対象となります。
人手不足解消に効果のある汎用製品をカタログに掲載し、中小企業がこれらを選択して導入することで、簡易で即効性のある省力化投資を促進することを目的とした「カタログ型」に対し、「一般型」では、主にオーダーメイド設備(デジタル技術を活用した専用設備、または汎用設備をカスタマイズ・組み合わせて高い省力化効果や付加価値を生み出すもの)の導入が対象となることが特徴です。
補助額
補助率、補助上限額とも1回、2回目と変わらずです。
従業員数 | 補助上限額 (大幅な賃上げを行う場合) |
---|---|
5人以下 | 750万円 (1,000万円) |
6~20人 | 1,500万円 (2,000万円) |
21~50人 | 3,000万円 (4,000万円) |
51~100人 | 5,000万円 (6,500万円) |
100人以上 | 8,000万円 (1億円) |
※ カッコ内は特例適用時の上限。
補助率
補助金額が1,500万円まで (大幅な賃上げを行う場合) | 補助金額が1,500万円を超える部分 | |
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中小企業 | 1/2 (2/3) | 1/3 |
小規模企業者・小規模事業者 | 2/3 | 1/3 |
※ カッコ内は特例適用時の上限。
申請スケジュール
中小企業省力化投資補助金(一般型)第3回公募の申請スケジュールは以下となります。
申請受付開始から公募締切日まで余裕がないことが予想されますので、早めの準備が必要です。
・公募開始日:2025年6月27日(金)
・申請受付開始日:2025年8月上旬(予定)
・公募締切日:2025年8月下旬(予定)
・採択発表日:2025年11月下旬(予定)
まとめ
「中小企業省力化投資補助金(一般型)」第1回公募においては、採択率が約68.5%と、近年の補助金制度の中では比較的高い水準となりました。しかしながら、第2回・第3回公募においても同様の採択率が維持されるかどうかは不透明であり、競争環境の変化にも留意が必要です。なお、本補助金の公募は年間3〜4回程度実施される予定であるため、今年度内の公募回数は残り1〜2回となる可能性が高く、申請を検討されている事業者様にとっては、実質的に今後の機会が限られてくると考えられます。
なかでも「一般型」は、製造業が直面する慢性的な人手不足や技能継承の問題に対応するため、現場の自動化・省力化を促進する有効な手段となります。制度の活用には、補助対象の明確化や事業計画の整合性など、一定の専門的知見が求められるため、申請をお考えの方は早期に情報を整理し、準備を進めることが重要です。